きゃさりん
① 差し向かいオパール色の月の下
② 降り注ぐ二人の夜空光の矢
③ 始発駅冬の吐息が走り出す
④ 月冴ゆる眠り忘れたセルリアン
石原とつき
⑤ ミジンコのわっかをこわっぱこっぱみじん
⑥ シラウオののほほんもののふはけんもほろろ
⑦ ひとよひとよにひと見殺しのコロシアム
⑧ いったりきたり帰宅途中にタッコング
草の耳彦
⑨ 良い知らせニワトリハジメテニュースないものか
⑩ 襟たててウグイスナク耳を澄ませども
⑪ 梅を散らしてハルカゼコオリヲトク中華ミサイル
⑫ 都会ではツチノショウウルオイオコルわからない
若木はるか
⑬ 小鳥たち何度もぶつかってくる冬晴れの窓
⑭ ガトーショコラの幻だけ見え隠れするキッチン
⑮ まあいいさ、が積み重なってく
⑯ まんさく咲いてた風があったかかった
平林吉明
⑰ 玄関に車椅子の不在
⑱ 総論各論淡雪とけてゆく午後三時
⑲ 酔いつぶれ情熱やぶれ足袋を履く
⑳ きさらぎの赤一色に染まる雪
榎本祥子
㉑ 指先の涙よ青空に透かす
㉒ 春浅しセルリアンブルーのドアに触れ
㉓ 梅ふふむ打掛に縁の紅を
㉔ 素直でなくていい、正直でありたい立春
山口桃葉
㉕ ふらここやもっと自由に抜けていい
㉖ これでいく?後悔してもいいキャスティング
㉗ どの海も凪であれお前の血へ行け言の葉と
㉘ 春の朝波が産まれた音がした
大川崇譜
㉙ 釣り竿 父のおもかじいっぱい
㉚ 長いマフラーの行間に冬のへ理屈
㉛ 西10列側7に熱海の夕陽
㉜ 饒舌な春前夜がんだれの眉描く
石川聡
㉝ つららにぶつかる陽のつぶつぶ声
34 熱海は坂だらけ足裏に塗る反重力
35 ゆめみるうめをみるうみはきらきら
36 たなびいているおじいさんおばあさん
叶裕
㊲ お日様逝く梅だけが元気だ
㊳ 容顔ことのほかやわらか
㊴ 裸木の影脈打ちながら伸びてくる
㊵ 恩返しできなかったなコロッケそば
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