けいえむ(暗渠)
①
真っ黒のワンピース真夏の日射しに映え
②
揚げたての天婦羅定食油照
③
夏への扉開け夏うぐいす
④
澤乃井にひっそり溶かすビル・エヴァンス
木野清瀬
⑤
あれ見なんしあかあかと旱星
⑥
(芙蓉です)(木槿です)同じひと好きになる
⑦
山なみのなだらか夏でも白き山
⑧
カバランカバランカバラン、スポーツは苦手
蔭一郎
⑨
バトミントン忌の急な坂をのぼる
⑩
曲がるたび角にかならず鹿がいる
⑪
放課後に秋はひとりで立ったまま
⑫
水が澄んでいて正座の足をくずす
石川聡
⑬
恐怖への麻痺また実装いちまい
⑭
ゆうぐれなおやわらげ合歓のはな
⑮
炎昼サイレンス頭に鳴るワグナー
⑯
るいるいるいくのかばねふみゆく
来栖啓斗
⑰
寂しい底にもぬめりがある
⑱
友達は手を繋いでてもう会えない
⑲
嘘をつくはずが打ち明けてしまった
⑳
落書きのような一日と良い意味で言う
おのぎのあ
㉑
躊躇なくチョコレート血になってよね
㉒
ミミズバレ未満もう消えた
㉓
上司のあとのシャワー室でむせる
㉔
見かけの力で作った笑顔
大川崇譜
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