けいえむ
①
梅雨冷えに身体が前に動かない
②
半夏生はっきり言おうよ第五波だって
③
車椅子の人の投票見守り期日前投票
④
いいコンビ無能な総理愚かな有権者
木野清瀬
⑤
妾宅の蛇口に海の滴り
⑥
下りもの有難や文化屋は雑貨店
⑦
軈て知能は郷愁を消す
⑧
荒野にジャカランダ植ゑて旅果てり
叶裕
⑨
和便器にぼうふら
⑩
親指が夕の汀に立つてゐる
⑪
泣きながら船焼く父の重信忌
⑫
遠雷 吐く物ももう無い
大川崇譜
⑬
笹の葉あおく餡を巻く
⑭
あるじひっぱる影のふわふわ
⑮
スティックのりまだいける東京晴れないや
⑯
34㎞のきしめん想像してみて?そこにいます
来栖啓斗
⑰
青空を眺めても不安の
⑱
純文学が通じなかった
⑲
鳴らしたらみんな離れていった
⑳
ひとつの満月たくさんの人生
石川聡
0コメント