大迫秀雪
①
歓迎!※但し見つけ次第その場にて即刻処刑致します
②
女子におちんちん見せただけで妙子先生の怒りよう
③
今日は樹木医の顔して幼虫斬っている
④
結局ケバブはあきらめた
けいえむ
⑤
それでも今夜を生きていくんだよ
⑥
冬が削れる
⑦
寝ぼけた朝が照れてる
⑧
日射し、とろとろ、春
石原とつき
⑨
ちょうどよい月のないすきま
⑩
出目金が黒く大きすぎるお祭り
⑪
一円玉浮く場所はみどり
⑫
正午みたいに広いヒラメ
石川聡
⑬
懸命なんていう瞬き雲がすぐ隠す
⑭
一滴すら惜しく蛇口しめる
⑮
援軍は水仙の黄母衣衆
⑯
月光おぼろあなたのまつげ溺れだす
響子
⑰
春の月明りひとつずつほどく
⑱
まんさくは花火になりたかった
⑲
あの女の天城越えは嫌なんだ
⑳
明日は明日のラフロイグ
カズマンヌ
㉑
星条旗ひらいてハイビスカスはためく
㉒
齧れど齧れど具の無い満月
㉓
ブランコ漕ぐ万引きした青りんご味の音
㉔
成長痛で箸掴めぬうどんは伸びる
大川崇譜
㉕
水餃子きょうから爪跡のこす
㉖
立体の閉鎖とプリーツの無期延期
㉗
事情により目黒川咲きません (咲きません)
㉘
監禁する肢体くるくるコンビーフあけていく
小笠原玉虫
㉙
いぬの病知り何処も灼けており
㉚
いぬと抜け毛にまみれて眠る有休
㉛
枕分け合ういぬの不整脈
㉜
老いてきたいぬの腰にもさくらひとひら
岩渕幸弘
㉝
着飾って媚売らずパプリカ
㉞
太郎のてに座る
㉟
ホツレ目カラ血眼
㊱
のこったのこった残れなかった奴が便器ね
若木はるか
㊲
春をフライングまんさくの黄いろ凍えている
㊳
桜=祝祭である
㊴
静かなる雨九年目の半旗
㊵
屈折はしない梅が咲き出した
来栖啓斗
㊶
夜半よりノスタルジアに雪化粧
㊷
会話に入れないそれも心地よい
㊸
苛立ちも生きている証とはいえ
㊹
原罪という名の花はどこにある
夜半よりノスタルジアに雪化粧
さいとうこう
㊺
チャージは多めに今日は青いコンバース
㊻
鼻歌のぶんだけ上がったマグカップにある水位
㊼
春服に手をとおすジャムトーストが焼けた音
㊽
猫をなでるにはヒールが高すぎる
チャージは多めに今日は青いコンバース
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