響子
①
バーボンをロックで←春の季語にしておくれ
②
青い花咲いたマッチ燃え尽きた
③
育児書として『野生のエルザ』
④
それぞれの死生観と色の名まえ
大迫秀雪
⑤
かすむビル群見ておどけふるいポーズで
⑥
娘の絵栞とし読むドストエフスキー
⑦
捨て犬は未だ怯えているがコロと名付ける
⑧
人工物(たんぼ)人工物(はたけ)人工物(ソーラーパネル)
けいえむ
⑨
ウイルス見えたらよけてやる
⑩
グレンリベットに愚痴はまぜない
⑪
恋したい、いつもいつも
⑫
小雨から止むまでが長い
カズマ
⑬
弁当代じゃらり生乾きのポケット
⑭
また返しそびれてそびえるタッパー
⑮
梅の下ウグイス目玉ついばむ季重なりの刑
⑯
親指のタップダンスしやすき三次情報
岩渕幸弘
⑰
陽につつじのみてみて顔くらべ
⑱
走りかた忘れたバイクと日向ぼこ
⑲
もうヤ 顔がパ
⑳
待てど暮らせど雨垂れのおと
小笠原玉虫
㉑
いぬとふたりきり街灯も暗い町
㉒
マスクが通貨となる未来が見えた
㉓
テレワーク上司耳元で怒っている
㉔
病んだからだ湯上がりにますます熱い
石原とつき
㉕
いたしかたなくタンカーが通る
㉖
かまいたちはイタチと違った
㉗
曲がれば号泣
㉘
勝手に星座をこしらえる姉妹
来栖啓斗
㉙
一生懸命になれずぶらんこを降りる
㉚
山に籠りたい遠吠えがしたい
㉛
少女飼う蛇の冷たさも知らずに
㉜
・・・・・・
石川聡
㉝
靴を脱ぎ退屈に座る
㉞
はやくまっしろになれはなみずき
㉟
無人販売カサブランカ固く閉じたまま
㊱
ソーシャルディスタンス蕎麦屋出て星空のディスタンス
さいとうこう
㊲
童心というには切実ここから先のしゃぼん玉
㊳
曇日のつきあたりならば東方の道をゆく
㊴
八百屋アスパラガス振って児は手をふって
㊵
その気になれば江戸川あの打球はツーベース
大川崇譜
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