18日、渋谷区文化総合センター大和田 学習室4 にて14時からです。選は当日10時までにメールあるいはXのDMで崇譜までお知らせください。
柴原色正
① 男門のダリア女門のカンナ真っ昼間の卍
② 盗み見してフエキノリじっとりアブラゼミのずうーと
③ 日の当たる順に上がっていく夕立
④ 夕焼けてものみな親しげに平等
暗渠
⑤ 午前2時LINEで届く赤紙
⑥ 還暦で尖閣諸島防衛隊
⑦ 戦地よりAI宛にe-mail
⑧ 配給米は小石まじりのカリフォルニア産
榎本祥子
⑨ 後生花祖母の形見のネックレスを胸に
⑩ 効率と非効率のバランスを具現化しているキリンに聞いてみようか
⑪ 祝福の歓声鳴り響く、ガラス越しには囚われの白鳥
⑫ キャンバスの白波の厚みほどけていく
杉本由紀子
⑬ 盛夏の引っ越し汗も涙も大笑い
⑭ 真っ赤なスイカがぶっとでしょ
⑮ 百日紅ピンクに燃えて泣いていた
⑯ 透明人間と透明人間ふたりです
叶裕
⑰ 空高く死ぬにはぴったりの凹み
⑱ なんぼでもブルースに戻れ夜の蝉
⑲ 労働の歌として詠む長律に滲む血の味骨の音かな
⑳ 何もいわない氷川丸
うたたね凛
㉑ 駐車場だけにぎわう久保医院
㉒ ホットですね、なんでやねん
㉓ 94歳ギネスOL玉置さんがいる
㉔ 生きたい蜘蛛を夏に放す
石原とつき
㉕ カワウソを重力な狭間を少年少女な路面電車
㉖ 変声期専門の鮮魚市場の赤いポストと蛍
㉗ 異次元に濃厚にご不在連絡票を相次ぐ
㉘ ロボットへ「お疲れさま(おちゃのこさいさいね)」線香
木野清瀬
㉙ 颱風来もう一日だけ此岸
㉚ 特急が急行になる雀色時
㉛ フレンチトーストに齟齬がある
㉜ 国破れてどんぐり背くらべ
来栖啓斗
㉝ 本棚にある詩集と一人暮らしの本
㉞ 夜に眠れずに蝉が鳴いているのみ
㉟ 出かけようかなと独り言を言うことから
㊱ 合羽着て傘さしている子供を大切にせよ
大川崇譜
㊲ 影に打ち水かつてのゲーム機売りにいく
㊳ 表札からぶき一丁目一番地の矜持
㊴ なんのひでもない源内に逆らえない
㊵ 奥歯にQR挟まりゆっくり夏の夜ㇽ溶かす
草の耳彦
㊶ 暗くなって光をあてないと見えない
㊷ ねりあるくねむりねこふまないように
㊸ 譜面は濡れて垂れ下がってオルガン
㊹ テレビ背負って町くたびれて湯気
田中耕司
㊺ 一号線の主役はキバナコスモスに変わった
㊻ 俺の背と変わらないヒマワリが並んだ
㊼ かわいらしいヒャクニチコウの赤白ピンク
㊽ シオカラに変わったトンボムギワラはまだか
石川聡
㊾ サッと思い出汁てる
㊿ こじらせ決壊ネット海抜
51) 百日紅の血痕てんてん台風すぎた
52) 折れた付箋ばっかりな記憶そむける
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