石原とつき
① 暗記殺よりまずかずのこから背伸びぱっかん
② 焚書のとろ火はサルビア豆腐は懐かしい
③ 山狩りやけに海王星にくわしいのかきなくさい乙女
④ 錯覚さながらのささやき「死にたいの?」はて「すっぴんきどりよ」さて
きゃさりん
⑤ 太宰読む ただそれだけの 長夜月
⑥ くちびるを静かに奪うマスカット
⑦ 元彼の最後のメール消して秋
⑧ しつらえる バンクシーはもう いないのに
大川崇譜
⑨ カッバリンビカビカ隠すほどのヘソ
⑩ ずっと夏ならいいのに出口調査またウソ
⑪ 秋霖クビキリギスのジー休符ジー
⑫ 舌先にほど近い口内炎わたしの休符
石川聡
⑬ 9ガツの胃ぶくろの怒りいくども茹でこぼし
⑭ ヒトまで憎みそうで長すぎっしょ残暑
⑮ 烏瓜の白い花はシナプス狂った受容体
⑯ 左の膝の秋のギヤ比が決まらない
平林吉明
⑰ 町会長ただそれだけの広辞苑
⑱ 酷暑区役所地域振興アルゴリズム
⑲ 馬鹿を晒す夏の色褪せたシャツ
⑳ うそ吐き捨てる神経の無い臼歯
暗渠
㉑ 貫いた正義の罪に走馬灯
㉒ ナンバーが5963の霊柩車
㉓ 長雨は秋への手順
㉔ 秋はただ岩本町の片想い
叶裕
㉕ はにかみ屋かよ葉鶏頭
㉖ 狗尾草に土下座している
㉗ 鱓《うつぼ》干されて三輪崎のハエ
㉘ 昨日まで無かったはずだ彼岸花
若木はるか
㉙ 少ししか進んでない⇄少しずつ進んでる
㉚ ギリギリじゃないと本気になれない病
㉛ 超弩級目覚ましズダーン雷一発
㉜ ブルーベリーあなたが摘んだから酸っぱいの
田中耕司
㉝ 今年のタマリュウ少し元気ないぜ
㉞ 白のサルスベリ三本並んでるまだ暑いぜ
㉟ 白のモクゲ並んでるみんな八重
㊱ 朝のおきまり薬四粒めんどうだぜ
草の耳彦
㊲ わがひめたる鉄兜の女は真珠兄弟
㊳ いわいとのろいを書き間違える
㊴ 尻を英語にして尻と繋げるほどシリアス
㊵ えらいことをすると尊敬されるかと
木野清瀬
㊶ 星も帰るよペルシヤ絨毯編む子ども
㊷ 萩の花叶わぬ恋の色をしている
㊸ 秋のソナタご自宅以外の連絡先なし
㊹ 夜毎の松虫訃報の続く
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