きゃさりん
① ウーバーのサンドウィッチと散歩道
② キャンドルをふぅーとしたよねツユノヨル
③ 見比べてクレンジングで消した恋
④ ひとりさす傘のしずくが流れない
石原とつき
⑤ 喪服たくわえ「だんなさまおたわむれを⋯」――奥義
⑥ ようやくするなら水ようかんむりやり厄年
⑦ ねぎぼうずな擬人化の希望的にぼかしてきめん
⑧ √ヲなてにをははなお口なおしヨーグルト
加藤三千子
⑨ 想いいだきて探す白百合 白夜の街
⑩ 薛之谦(シュエジーチェン) ふざけの 鎧は何守る
⑪ モスクワで友となりしマリナ VPNさえ絶たれ ただ笑顔をしのぶ
⑫ 泡沫の日々を劉宇宁(リュウユーニン)にときめき葉隠を読む友の 住まうはキエフ 今日もニュースが耳に
⑬ 今日も体内音叉は鳴らず じゃあまたいつかと手を振る
山口桃葉
⑭ 何者か証明しなくてもいい夜を抱きしめる
⑮ 残す朝と行く朝をいったりきたり夏の露
⑯ 頬杖がガグっと落ちる梅雨の闇
⑰ オキシトシンは全角のスペースより半角のスペースがいい
草の耳彦
⑱ とりあえず麦の秋いたるいっばいめ
⑲ 雲間の糸を揺らしているよ蟷螂生ず
⑳ くらくをともにくされたるくさほたるとなるあの日のために息している
㉑ うめの実きばむアク抜きは不要はずむ雨音
若木はるか
㉒ 休みたかったからこんなに長引く
㉓ 嗄れちまった喉だけ置き去り
㉔ だるい昼下がりのミントティー
㉕ 雉鳴く鴉鳴く青胡桃の窓に光射す
大川崇譜
㉖ 質屋にいれた仕事とりだしては眺め夏
㉗ ちょうどいい高さで泣くあじさい
㉘ 新しいズボンに墨落ちる、雨が長い
㉙ 先祖だろう一枚一枚スキャンする白黒
白石ポピー
㉚ 焼けし朝に白波ちぎれり
㉛ 雨の日はししおどしを頭につけてGO
㉜ 暑さほどけた昏に昏れる
㉝ 薔薇を食むチンパンジーと薔薇を食む固定資産税
おのぎのあ
㉞ ストロー回せば夏は光って
㉟ 蹴り出した日常の航跡波
㊱ まだ綺麗だと思える夜勤の窓
㊲ 飲み込んだ光の傷んでいく
石川聡
㊳ カラスウリの花は研磨盤 眼を仕上げる
㊴ マグカップの絵も流れ梅雨だね
㊵ 砂が溶かした時を飲む紅茶
㊶ 雲の雲を呑むはつなつ
みどり
㊷ 梅雨空や 果てなくあてなく 青紫陽花
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