暗渠
①
せまくもろい道だ
②
岸に上がり眩しい
③
朝マック詩ウェルベック
④
居場所無い午前に居る
草の耳彦
⑤
病室で死んではダメと叱られる
⑥
あの世の果てに命は照るまで
⑦
打ち合わせお花畑に案山子跳ぶ
⑧
あほが好く乱舞るあかい交差点
小早川すすむ
⑨
酔い倒れた植込みこの花の名はあとで調べよう
⑩
首絞める指に力こめ家の歯磨き粉もなかったよなもう
⑪
湯船にきょうの脳ほどけかけうどん
⑫
喪中にて口に出してはならぬけど君だけには伝えたい2022年のあけましておめでとう
来栖啓斗
⑬
誰が助けても同じだった
⑭
大雨のなかで大雨だけか
⑮
小さな子だから成立した
⑯
だらりとした肉と同じだ
木野清瀬
⑰
ロゼワインもれなく春愁ついてきます
⑱
寒肥をやり咲くをんな咲かぬをんな
⑲
ふらんどやあなたの国に暮らす夢
⑳
沈みたい心は浮かぶからだ春の日
大川崇譜
㉑
ボーダー着る思ってたんだ海に行こう
㉒
そんな日もある箸ください
㉓
しあわせの神様は雲梯でやってくる二本抜かしだ
㉔
泣きっ面にピスタチオだ春だ
石川聡
㉕
東京はシャーレ寒天組織わたくし
㉖
身の底いつも不燃物
㉗
ひだり掌(て)の記憶ごと道にてぶくろ
㉘
感情線あばれるを握りこむ息ふかく
※(て)はルビ
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