木野清瀬
①
月よ勝手に入り込むなら沁みるなよ
②
語彙語彙と漕げば多分多分と川の音
③
ひとりぼっちのレタスLet us aloneふたりぼっち
④
あまり白くない余白を持てあます秋
石原とつき
⑤
オランダの三振王が来る
⑥
虎から夜がこぼれる
⑦
肩ぐるまのさみしい
⑧
たゆたうさまようさざなみ九月のほほえみ
石川聡
⑨
駅。階段。また一段。が。萩寺の石段。月夜。
⑩
肩甲骨の裏に椅子の背の入るように一句
⑪
すこしすずしく木槿は長距離走者
⑫
ちちろ昼を切れぎれ
けいえむ
⑬
軍艦巻きに薄口醤油一滴二滴
⑭
みて、みよ、ほし、つき
⑮
待ち望んでた特急列車に立ちふさがった救急車
⑯
散って粉々白百日紅
叶裕
⑰
寝転がれば秋草
⑱
闇に生し闇へと還る保線工
⑲
球殻の一切有為が雨の中
⑳
歌舞伎町ドンキに終はる貴種流離
0大川崇譜
㉑
ファミマの前ね。ディスタンスたちやや集まる
㉒
わかったらメールして!キッズのチャリ西陽へ北へ
㉓
掛かれカレーの彼のイン&ヤン
㉔
記憶どおりの木馬だれといったのか冬の陽(としまえん閉園)
若木はるか
㉕
ヤンマ大顎がばっと風を喰む
㉖
弱さ受け入れて一歩ずつゆく
㉗
蝶のまなこ緑うつしてほろろ
㉘
夕陽透けて芙蓉一瞬のむこうへゆける
大迫秀雪
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