４月句会

春になりましたね！！

ご都合により１４番の句は欠番になります。すみません、４の倍数だと数えやすいのでそのままにしました。今回句数が多めですので、主催のミスありましたらDMかメールでお知らせください。。

佐川智英実

①　君はカヌレだけど食品サンプル

②　言えなかった胸ポケットにある言葉

③　〆切がのびて爪を切る

④　すべて流して春の雨に濡れている

榎本祥子

⑤　卒業の日まなざしより遠く伸ばした指先の凛々しさ

⑥　ジャガランダ舞う10月、ブリスベンの春に酔う

⑦　花びらひらり頬ひんやりと

⑧　家主は昼寝、家守客人を待つ

柴原色正

⑨　まず貝より始めよと云われたからホタテ

⑩　古い毛は買わず新しい毛を買った

⑪　筋肉痛が痛いそうろっとワンタンすする

⑫　耳をそろえて首がまわらない

うたたね凛

⑬　２時のトイレ推しのまなざし

⑭　（欠番）

⑮　げっげっげっげらギター掛け声は良し

⑯　水田のあいつ家紋と知り

大川崇譜

⑰ 　無意識意識するうんと渋い茶

⑱　しあわせの残りマキタのブロワー

⑲　だれかの裾さくらの覗くエスカレーター

⑳　さてナフタリン

秋月祐一

㉑　花冷えのゆたんぽにそそぐ湯

㉒　潮まねき、と片手大きく曲げてみせる

㉓　逆再生うしろ歩きで商店街を

㉔　雪柳ち、らし、て、く雨

暗渠

㉕　地下宮で嘶く馬に吠える象

㉖　ジャジャーンジャンジャン横丁じゃん

㉗　あの看板観覧車に突撃！

㉘　水面より千の手が振る「ごきげんよう」

石原とつき

㉙　ガリバーは乳歯は賛否両論しかるべき荒野

㉚　すれすれイグ・ノーベル賞さすがことわざ口座

㉛　「猫踏んじゃった」表面張力をいたしかゆし

㉜　廃校（だれか来ないかな…）体育座り少女な点滅

平林吉明

㉝　コートの背中まるまる津軽弁

㉞　空気清浄フィルターな夜は早く寝る

㉟　パーティードレスは深紅のなみだ

㊱　春になり何より書類山となり

白石ポピー

㊲　影のない塔の先に春泥

㊳　顔みたいな樹洞樹洞みたいな顔で

㊴　鶴はウインナーを食べない

㊵　ゆでたてのブロッコリー

田中耕司

㊶　大きな木瓜の朱に賛成だ

㊷　花散らしの雨に負けたかい横浜緋桜

㊸　ヒナゲシのまっつぐな立ち姿背筋のばそうぜ

㊹　浅草快晴大股のニッカが行く

叶裕

㊺　刺殺現場に老ゆ桜

㊻　山茱萸が京の酒蔵

㊼　光合成に頼んでみるか

㊽　飛花落花難読地名第三位

おのぎのあ

㊾　紅の痙攣に与える雨粒

㊿　ベランダに光る降車ボタン

51）　献血できないわたしの極彩色

52）　いっそ殺してくれホッカイロ

石川聡

53）春の陽ざぶざぶ梳いて菜の花

54）陽炎いちまい破る墓地の響き

55）はるのあめひとにふたつみっつひみつ

56）朝陽の渚うちあがる緩慢なる瞬きへさくらふる

来栖啓斗

57）　花を踏めば近づける距離か

58）　一緒にいて日が暮れてきた

59)　 赤信号で立ち止まっても黙っていた

60）  白い靴を履いたまま大人になると言うのだ

木野清瀬

61）花に喩える不幸の手紙

62）みつばちのように黄色に騙される

63)   恋棘て金平糖を噛み砕く

64)   ぶらんこにエピタフ父のハミングで